メタサイエンス・セミナー・・・共働学舎から生き方提案
新得農場代表 宮嶋 望さん 講演会 於ウィルあいち会議室
2014年8月17日(日)pm14:00~pm18:00
自然のリズムに沿って生きる時全てのエネルギーは循環し、人・牛・草木・微生物といった地球上の生命は豊かな生を送ることができる
炭・水・光・微生物の力を活かし、臭わない牧場で生きづらさを抱えた人たちと世界一のチーズ作りをされている宮嶋さんは、いのちを守っているのは科学技術でなく自然のシステムであることを、チーズ作りや環境づくりを通し、人と自然、社会との関係に照らし合わせて語られ、今、何が必要とされているのか、どこへ向かっていけば良いのか自然の摂理に即して見つめられます。
2年ぶりの宮嶋さんのメタ・サイエンス研究会です。自然のリズムの即して生きることの素晴らしさを実感しにいらしてください。
「メタ・サイエンスセミナー~共働学舎から生き方提案」
宮嶋望氏 宮嶋望氏 北海道農事組合法人 共働学舎新得農場 代表
放射線物理学・森林生態学を学び、Voegeli Farmにて2年間酪農実習
米国ウイスコンシン大学卒業、新得共働学舎設立(1978年)/NPO法人共働学舎副理事長
十勝ナチュラルチーズ連絡協議会 副理事長/チーズ・プロフェッショナル協会 副会長/北海道ブラウンスイス協議会会長/新月の木国際協会副理事長
*国内外のチーズコンテストで金賞受賞多数
メタ・サイエンス・・・
一般に従来の科学(サイエンス)の枠組みを超えた(メタ)新しい科学を意味する言葉ですが、宮嶋さんは、「伝説や風習の根拠に光を当てることができる在野の科学」と定義され、生命とエネルギーの関わりを実践からひも解かれています。(いのちが教えるメタサイエンス 地湧社刊)
ひきこもり、うつなどで、効率的な社会からはじきだされた人々を受け入れ、農作業や牧畜をしながら、世界一のチーズを作り、共同生活をする共働学舎・新得農場。人々が変わっていく姿は、閉塞感に満ちた日本に、重要なメッセージを投げかけています。
「住環境や食生活が不自然で人を不健康にする社会で、便利な生活を手放せなくても、どんな状態にあるかは知っておくこと。自ら不可能を乗り越え、実現させていく創造力を養い、新しいよりよい社会を作っていく。弱さを担わされた人たちと生きようとすることで与えられる創造力こそが、今必要なのではないでしょうか…」
宮嶋さんの新著「いらない人間なんていない」にある言葉の一つ一つが心に響きます。
日時:2014年8月17日(日) pm14:00~18:00
会場:ウィルあいち 会議室5
名古屋市東区上竪杉町1番地
会費:予約3500円 / 学生2000円(当日それぞれ500円増)
定員:50名
終了後 懇親会…会場近く 実費(要予約)
問合・申込:鶴田紀子 noriko@eco-branch.com /
Eco-Branch ℡052-503-1002 fax (052)509-1683
*下段申し込みフォームよりお申込み下さい
参加費をお振り込みください。(お手数ですが “メタサイエンス”とご明記ください)
ゆうちょ銀行 店名:二一八(ニイチハチ) 店番:218
普通預金 番号: 2907917 口座名義:「地球の笑顔プロジェクト」
共催:地球の笑顔プロジェクト― Eco-Branch・㈱にんじん・GAIAの会
パンフレットはこちらから印刷できます → 2014.8.178b7b938882b382f1.pdf
いのちを活かすのは光のリズムです。
電子が流れ、磁場が起こり、共鳴して、いのちは巡っている…。
『生きているものは腐らない。しかし、生きていたものが死ぬと途端に腐りだす。・・発酵に進むか、腐敗に進むか…は、必然的に、生物が生きているとはどういう状態か、死ぬとはどういう過程かを考えることにつながっていく。生と死で明らかに違うもの、それは電位である。』すなわち、腐敗とは電位差がなく死を意味し、発酵とは電位差があり生を意味します。
「電子の流れで読み解くと世界はこう見える」というきわめて独自の視点を持ち、その根源に太陽エネルギーがあり、原子から人のからだ、そして宇宙までを壮大に貫く原理を読み解かれる宮嶋さんのメタ・サイエンスは、これからの時代にとても大切な視点です。じっくり学びたいと思います。
「いのちが教えるメタサイエンス(地湧社)」まとめがこちらにあります
<会場への行き方>
●地下鉄「市役所」駅 2番出口 東へ徒歩約10分
●名鉄瀬戸線「東大手」駅 南へ徒歩約8分
●基幹バス「市役所」下車 東へ徒歩約10分
●市バス幹名駅1「市政資料館南」 下車 北へ徒歩約5分
会場地図
お申込みは下記にて
宮嶋さんが共働学舎HPに書かれたメッセージです・・・
希望の光はどこにある?
いのちの活きている場にこそある
3月11日午後、未曾有の大地震、そして原発の事故が起こりました。2万人を大きく超える行方不明、そして亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りし、被災され不自由な生活を余儀なくされている多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。
北海道十勝でさえも、初動の横揺れには異様でただならぬものを感じました。東北から北関東にまで及ぶこのたびの震災による余りにも甚大な被害は、自然の力の脅威を私たちに示し、日本中を打ちのめしました。あれからひと月以上がたち、復興に向けた活動も活発になってきました。私たちも即時対応として、募金を集め支援物資の提供、チーズのチャリティ販売、被災された方の受け入れなど、今できることは応援したいと努めてまいりました。しかし、ぐずぐずと悪化してゆく原発の状況に、何とかしなければと心が押しつぶされるような感覚が続いています。今、私たちに何ができるのでしょうか。何が必要なのでしょうか。
最近、放射線、微生物の働きに関するお問い合わせを多くいただいております。今まで
33年間、新得の共働学舎の農場で続けてきた自然を活かし、微生物を活かし、いのちあるものを活かしてゆくもの作りから得た知恵や情報を、これからの復興の企画に役立てていただけるのではないかと思っています。放射線物質に汚染されてしまった圃場でもそれまでに有効な働きをする微生物をきちんと入れ続けていたところでは作物が放射線物質を吸収せず、作物自身からは放射線が測定されなかったという情報もあります。
生きているものは“活かされる場”が与えられれば、したたかに生き抜く可能性を見つけてゆくものです。しかし、活かされる場の要件が満たされていないと、免疫力を徐々に失い、活力をなくし、衰退して病気となっていってしまいます。人も動物も植物も土壌の中の微生物もすべていのちある生きるものです。これら生きているものにとって、よりよく活かされる場を整えてゆくために、共働学舎新得農場で実践してきたいくつかの方法があります。炭埋によるエネルギー(気)の流れ・微生物の力・生きているものの自主性を重んじること。それらはすべて自然界の中で繋がって存在します。
僕たちは30年近く病気や障害、様々な重荷を背負った人たちと協力して、こうしたことを大事にしながらもの作りをしてきました。ゆっくりとした歩みの中で、徐々においしい野菜やチーズが出来るようになってきました。進むべき道が見え、小さな光が見えてきました。被災され暗闇の中にいるように感じていらっしゃる方々も、前に踏み出せる時が来ますように。これからより良い社会、よりよい未来に向けて皆で力を合わせ、知恵を出し合って新しい日本の社会を作ってゆけるよう、この牧場からも応援してゆきたいと心から願っております。
平成23年4月25日
共働学舎新得農場 代表 宮嶋
<いのちが教えるメタ・サイエンス~炭・水・光そしてナチュラルチーズ(地湧社刊)感想>
この本を待っていた…、そんな気持ちになりました。自然の法則に従い、微生物たちが気持ちよく働ける環境づくりをしてきた結果、国内のみならず、世界のコンテストで金賞受賞という美味しいナチュラルチーズを作り続けた実践から読み解かれる自然の秩序、メカニズム。日頃、仕事でミネラルや微生物、植物のすごさは実感しており、こういうことだったのかとワクワクしました。
いのちは不思議にみち、驚異的ですが、今の科学では、証明できることはごく僅かです。放射線物理学・森林生態学を学び、アメリカで酪農を覚えられた宮嶋さんは、伝承と言われたり、科学的でないと一笑に付されそうなことも、現場で試し、観察し、試行錯誤の結果から仮説を立てられます。例えば、牛の重みで、沼のようになる放牧地に炭を埋めることで乾燥させるのは、炭を埋めると地中を流れる電子が集まり、磁場が強くなり、水が移動することで水が抜け、炭・微生物・木造建築によるハエが来ず、臭わず、殺菌のほとんど必要のない牛舎等々、すごい工事をしたり、装置を導入して…、と考えがちなことを、自然の力を生かすことで実現され、解かれるさまざまな事ごとは、まるで謎解きです。
電子が流れ、磁場が起こり、共鳴して、いのちは巡っている…。土中で、樹の幹で、空中で、身体の中で、電子が舞い、いのちのダンスをしている様子が目に見えるような気持ちになりました。地形を読み、電子の流れを読み、天体の影響や、大腸菌と鉄の関係等々生命とエネルギーを巡る探索の面白さにぐいぐい引き込まれました。
自然のリズムに沿って生きる時、全てのエネルギーは循環し、人、牛、草木、微生物等地球上の生命は豊かな生を送ることができるという言葉が沁みます。本物を追求していくと必ず先人の知恵に行き当るのがメタサイエンスの特長と書かれていますが、近代科学と資本主義が手を携え発展してきましたが、様々に行き詰まり、福島原発事故は、その象徴で私たちに生き方の転換を迫っています。
いのちを大切に、自然に寄り添って生きたいと願っても、経済の仕組みがそうはなっていないので躊躇する部分が多々ありますが、障がいのある人や不登校といった社会不適応とされる人たちと、一人ひとりの持ち味を生かしながら、世界に通用するチーズ作りをしてこられた30年。「今、求められていることは、“いのちの源を科学技術という鉄釜からだして自然に返すことではないか”」との言葉に深く共感しました。
講演会で、「頑張ってものづくりをしたら必ず希望がわくので、東北の人達に頑張って欲しい」と話された言葉に歳月の重みを感じました。生きていることを実感する共鳴が、新しいマーケットを生み出す原動力になり、社会が変わる。自然に沿った、いのちの経済を営むことへの大きな可能性を感じます。いのちの輝きを味わい調和しあう社会、いのちのエネルギーが支える社会づくりへ向け、メタサイエンスは大きな希望です。
*地湧社さんの冊子に掲載して頂いた感想文です