2017年3月18日(土)
生きているを見つめ 生きるを考え 生命を大切にする社会へ
共に生きる未来を見つめ考えたい・・・
「つながる いのちの物語」開催に寄せて
戦後日本の復興と共に歩んで七十年。
日本は、焦土から信じられない発展を遂げました。けれど便利快適・効率を追いかけた結果、子供の貧困が問題になるほど社会がやせ細っています。
私たちは、どこへ向かおうとしているのでしょうか。
先行き不透明な時こそ、原点に立ち返ることが大切ではないかと思います。遺伝子研究から地球上の生きものは祖先を一つにして、微生物も、植物も鳥もヒトも三十八億年という時間がなければ今ここに存在しない仲間であることがわかってきました。
「人間も生きもので、自然の中にある」。
そんな生命論的価値観で、ヒトも含めた生きものがイキイキと暮せる社会を願って、研究・発信されておいでの生命誌研究館長中村桂子さんのドキュメンタリー映画上映とお話を伺い、共に生きる未来を見つめ考えたいと思います。
この日が、いのちを深める一日となりますように願っております
生命誌絵巻。
地球が誕生して45億年、ミネラルのスープのような海の中で原核生物が生まれ、シアノバクテリアが生まれて酸素ができ、真核微生物が現れて多細胞生物が誕生し、動物の起源と言われるイソギンチャクのようなものから始まった38億年の生命進化を一年に例えると、人類は12月31日の23時40分頃登場したいのちの新参者です。
この絵巻を見て、どんな生きものも いのちの仲間であり、長い歴史を背負って今あることを実感し感動しました。
つながるいのちの物語
生きているを見つめ 生きるを考え 生命を大切にする社会へ
2017年3月18日(土)am11:30開場 12:45スタート~16:00(予定)
≪プログラム≫
第一部:pm13:00~15:00上映会「水と風と生きものと」
第二部:pm15:20~16:00中村桂子さんトーク&質疑応答
*出張生命誌展示&グッズコーナーあります。
いのちを大切に活動しておいでの方々の展示ブースもあります。
上映会前にもどうぞお楽しみ下さい。
参加費:無料 (ご予約下さい)
参加お申込みの方に入場整理券をお送りします。
定 員:満席になりました
<申し込み方法>
①下記申し込みフォームでのお申込み 又は FAX、メールでお申し込み下さい。
申込先:Eco-Branch 鶴田紀子 メール:noriko@eco-branch.com
電話:052-503-1002 FAX:052-509-1683
<お問い合わせ>
○株式会社鶴田商会環境事業部エコブランチ 鶴田紀子
noriko@eco-branch.com TEL:052-503-1002
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中村桂子(生命誌研究者)
1936年生まれ。東京大学理学部化学科卒業
同大学院生物化学終了、三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長。早稲田大学人間科学部教授などを経てJT生命誌研究館館長
生きものを機械として解析する生命科学でなく、歴史と関係の中で捉える生命誌を提唱し、その構築に努めている。
著書:「生命誌とは何か」(講談社学術文庫)
「科学者が人間であること」(岩波新書)
「生きているを考える」(NTT出版)等多数
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大阪府高槻市紫町1-1
「生きている」を見つめ、「生きる」を考える開かれたコンサートホールのような場
自然、生命、人間を基本に置く社会づくりを
人間はヒトという生きものです。自然の中にいます。しかしヒトは大きな脳、器用な手、言葉を生かし、文化・文明をつくる特長を持っています。生きものの一つとして自然の中にいながら、それを外から観察したり、はたらきかけたりできる存在なのです。現代文明は利便性を価値観の基本に置いたため、生きものの持つ時間と関係を切ってきました。それを取り戻す社会を作りたいと思っています。
(生命誌研究館案内パンフレットより抜粋)
- 生命誌館を訪れると迎えてくれる生命誌絵巻。
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水の中から生まれたいのちが長い歳月をかけて種がどんどん増え、今のような多様な世界になっていることがとても分かりやすく、私たちは最初のひとつのいのちから始まり、長い進化の歴史をお母さんのおなかの中でたどって今あることが実感できます。
映画「水と風と生きものと」中村桂子・生命誌を紡ぐ
映画紹介より
映画でしか語れない生命誌研究館のドキュメンタリー作品です。約3年の制作期間を経て完成しました。
小さな生きものを見つめ、芸術家や子供たちと語り合い、自然を生かす新しい文明を提案します。「生命誌版セロ弾きのゴーシュ」のメイキングを通し宮沢賢治の世界観に触れ、3.11以降の社会を考えます。
中村桂子が旅をします。
大阪、東京、そして東北へ
そこで、自然に目を向けて、大切なことを忘れずに
暮らしている人々と語り合います。
中村桂子さんは、科学者であり、哲学者であり、何よりも生活者です。
毎朝、お陽様が昇るように、一日一日をきちんと生きる。
当り前だから難しい、今、いちばん大切な生き方が、ここにあります。
東日本大震災を経た今、「人間は生きものであり自然の一部」と語る中村のメッセージは、科学や芸術の枠を超え、共感の輪を大きく広げています。
三月十一日の震災の後、宮沢賢治を読み直した中村は「生命誌版 セロ弾きのゴーシュ」の舞台化、そして賢治の故郷である盛岡・花巻への旅をします。
科学者として、生活者として、生きものを見つめる中村の姿から、自然との関わりの中に「いのちの音」を見出す賢治の生命観が浮かんできます。
「私たちは、ほんとうに自然のことを考えて、
自然と上手につきあっていかなくてはいけない。」
映画で、生命誌研究館での研究の様子を見るうち、クモたちが仲間に思えてきます。
そして「生きている」ことを大切にする社会を求めて様々な人々との語り合いの面白さ。「セロ弾きのゴーシュ」舞台化の風景に興味津々で観ているうち、宮澤賢治の世界にひきこまれます。さまざまな視点から生きること、いのちへのアプローチに、38億年の時間をかけて紡ぎだされた生きものの歴史に深い感動を覚えます。
予告編 ←こちらからどうぞ。
生命誌研究館を訪ねるたびに、これと似た空間は世界のどこを探してもないと感じる。生命科学が「生命誌」へと進化して身近ないのちと一気につながったように、研究館ではその最先端の研究と、私たちの驚きや感動がつながり、ともに38億年の時間に連なっている実感へと誘われる。
日々、生命誌を編み続ける研究者たちと、それを訪ねて集う大人や子どもたちの穏やかに満たされた笑顔と、小さな生きものたちの輝きに出会う幸福な2時間である。
髙村 薫(小説家)
サイエンティストの大切な使命は、自らの発見あるいは考えを発表し、それを公の知識として共有可能なものにすることである。報告ないしは記述のできるサイエンティストは多いが、しかしそれを表現にまで高められるサイエンティストはきわめて稀である。表現できるためには、知ることだけではなく、それを感じ取る能力がなければならない。自らのすべての感覚を動員して自然の襞を感じ取り、感動できること。中村桂子さんは、それができる稀有なサイエンティストである。 永田 和宏(歌人・細胞生物学者)
5月25日、映画完成の試写中に大きな地震が起きた。神話や民俗学を拠りどころに大震災を考えてきた赤坂憲雄氏と中村桂子さんの対話の場面だった。村人は、大破壊の跡から祭りの面や道具を拾い、繕い、伝統の鹿踊りを舞う映像が続く。地震は、この映画を貫く生命は時間的な存在であり、断片では語れない大きな物語を紡ぎだす中村桂子さんへの地球規模の共振。偶然は時として意味のある偶然になる。知的興味を100%満足させる快作。
「天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ(2012年)」
「大津波 3.11未来への記憶(2015年)」 河邑 厚徳(映画監督)
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