令和6年1月

 小学生の頃に読んだ本で「ふりやのルルフ」という童話がありました。「ふりや」とは「~のふりをするのが好き」くらいの意味で、ルルフは職人さんの作業を見るのが大好きで、いつも眺めてはマネをしていました。時間を忘れるほど見たり触ったりすることで知らず知らずのうちに彼はその作業が段々出来るようになってゆきました。
 考えてみれば、私たちもそんなものではないでしょうか。何かの本で、「学(まな)ぶ」とは「真似(まね)ぶ」だと読んだことがあります。人は時間をかけ我を忘れて没頭することで、マネをホンモノにしてゆくのでしょうね。私も以前自分の体験で「あっ、ここにルルフがいる」「ここにもルルフがいる」と何度も叫んだことを思い出します。
 うん、そういえば、最近ルルフに会っていないなあ。ちょっと何かに頭を突っ込んでみましょうかね。

令和5年2月

 このところ亡くなった両親の遺した物の整理をしています。
父親は写真が趣味でしたので山のような量のアルバムが残っています。
その写真群の中には、祖父・祖母、両親、交通事故により17才で亡くなった弟などすでにこの世に存在しない多くの人たちがいます。
 私が生まれる前女学生時代の母親の写真もあり、バスケットボールを手にして笑う若い女性を何とも言えない不思議な気持ちで眺めました。
 
 誰しもいつかはこの世を去る時が来ます。ですから、生きている今日の日をせいいっぱい楽しく生きることが必要だと思うのでした。
たまには立ち止まって今という時を味わう時間を持っていたいものですね。

令和4年4月

遊びせんとや生まれけむ 戯(たわぶ)れせんとや生まれけん 
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそゆるがるれ
どこかで聞いたことがありませんか。梁塵秘抄(りょうじんひしょう)という平安時代後期の歌謡集の一節です。

「遊ぶために生まれてきたのであろうか たわむれるために生まれたのであろうか 外で遊んでいる子供の声を聞くと自分の身体も動いてしまう」といった意味でしょう。現代は自ら「遊ぶ」ということがなかなかできなくて、何かに「遊んでもらう」ことが多いような気がします。遊ぶ、とは心に生じた興味・意欲・気持ちなどの感情を自分の力でもって体で表現することのように思われます。面白いな、楽しいな、嬉しいなと思ったら外へ出してみませんか。

もう一つ梁塵秘抄から・・・
舞え舞え蝸牛(かたつむり) 舞わぬものならば 馬の子や牛の子に踏(ふま)させてん
(ふ)み破(やぶ)せてん 真に美しく舞うたらば 華(はな)の園まで遊ばせん

令和3年79号

多くの方が予定表や日記として手帳をお使いでしょう。私は手帳の表紙に「what game shall we play today!」という、言葉を貼っています。
これはジャズピアニストのチック・コリアが1972年に発表した曲の題名でフローラ・プリムが歌っています。「あなたの周りを見てごらん。人生は楽園だとわかるでしょう。さあ、一緒に今日は何して遊ぼうか?」という内容の歌です。
「遊ぶ」っていのちをフルに活かすことだと思います。子供は遊びの天才ですね。仕事でもなんでもよいのですが、自分の能力を全部出して充実した時間を使うことでしょう。時間は「いのち」です。人間、いつ死ぬのか分かりません。今日一日、今一瞬を生ききることが大切だという気がします。お金を出して遊んでもらっていてはいのちが喜びませんよ。さあ、今日は何して遊ぼうかな?一緒に。(き)

令和2年78号

小さな石がすきです。海岸や河原に出会うと降りて行きたくなります。まるで宝石がちりばめられているようで見飽きることがないのです。靴を脱いで裸足で歩くと、足の裏で感じるその冷たさとフラットではない感触が日頃の生活でためた毒を吸い出してくれるような気がします。黒白赤緑茶などのさまざまな色、美しい文様。最初角ばっていた形が水の流れで次第に丸くなっていったその永遠ともいえる時間の長さを思うと人間の命の短さを考えざるを得ません。小石を手に取って額に当てると、ひんやりとした冷たさに心が落ち着きます。耳に当てると、永遠の音にならない音が聞こえます。胸に当てると、古(いにしえ)から続いてきた私の命を感じます。気に入った小石をいくつか持ち帰り机の上に置いて毎日眺めていると、彼らが居た海岸や河原が目に浮かびます。そして思います。私たちは生かされているのだなあ、と。

31年77号

友達っていいものです。利害関係なく、久しぶりでも昨日会ったように話ができます。先日も、岩手からやってきた友人2人と交通信号も水道もない限界集落にある村唯一の食堂を訪ねました。ついでに、その近くでトレーラハウスを改造中の夫婦を訪ね、旅の音楽家夫婦も加わって、一緒にコーヒーを飲んだり誰もいない近くの山の展望台へ行って、全員で楽器を持って歌ったりしました。夜は知人が採ってきた山菜のテンプラを食べながらワイワイ。永く付き合っている友人が多いです。それが出来るのは、皆が気持ちのよい空気を作っているからでしょうね。自分も深めていかねば関係は続きません。いやいや、精進せねば。精進・精進・・・なんて、難しいかなあ。    (き)

30年76号

秋、ですねえ。果物・キノコがおいしい季節です。街路樹のイチョウも黄色が素晴らしいですし、紅葉と言えばもみじ。その赤色は多くの人の心をときめかします。あ、桜やメタセコイヤの赤もいいですねえ。ドングリも公園や山にいっぱい落ちています。ドングリはブナ科のカシ・ナラ・カシワ等のコナラ科の実で、形も丸いもの、細長いもの、小ぶりなもの等さまざまです。落ちていると、どうしても拾わざるを得なくて、手に一杯、ポケットも一杯にしてしまいます。家に持ち帰り眺めて楽しむのです。そして、食べられる実の代表は栗ですね。栗のお菓子には、中津川・恵那の栗きんとん(茶巾絞り)、栗かのこ、栗ようかん、あ、お正月の栗きんとんもありますね。小布施の栗らくがんや洋菓子ではモンブラン、マロングラッセ等々、いやあ、色んなお菓子がいっぱい。眼を肥やし、舌をたのしませてくれます。自然って豊かだなあ。          (き)

30年75号

会社の前の小さな花壇(?)にはさまざまな植物が生えていますが、繁殖しているのがローズマリーです。これはエコブランチがハーブ製品を仕入れさせて頂いているお店から苗を買ってきて植えたものです。成長がよく、別の場所の歩道の脇にも株分けして植えたのですが、そちらも道路からはみ出すほど繁茂しています。借りている会社の畑では、パートさんたち中心で手間暇かけて色々な野菜を育てていますが、最近沢山採れたのが無農薬で作ったとても美味しいじゃがいもです。社員全員が、時にはお客様も持ち帰ります。ローズマリーと相性がぴったりです。オリーブオイルで炒めて料理をする実に嬉しいおすそ分けなのです。おいしいものってイイなあ。   (き)

30年74号

昔から本を読むのが好きです。背表紙を眺めているだけで楽しくなります。そのおかげで増えた本で部屋が狭くなってしまっています。人間の喜びには色々あるでしょうが新しいことを知るのはその中でも大きな喜びです。知識を得る方法は、テレビ・ラジオ・新聞・対話、最近では漫画やインターネットが多いかもしれません。でも、読書は一面では自分との対話でもあって、単に知識だけではなく自分なりの発見をすることがあります。又、小説は他人の人生を疑似体意見することですよね。「書を捨てよ、町へ出よう」(寺山修司)なんて言わないで、たまには本に親しみましょうよ。       (き)

29年73号

春から夏にかけての草原や畑の眺めは美しいですね。タンポポ、シロツメクサ、レンゲソウ等が楽しませてくれます。シロツメクサは別名クローバーで、子供のころ、花かんむりを作った記憶があります。レンゲソウはゲンゲとも言われ、休耕田の雑草防止と、そのまま鋤こんで肥料とします。空中の窒素を固定して稲の豊作をもたらすそうです。ゲンゲ畑は春の風物詩ですね。タンポポは葉っぱ縁がギザギザの形のため、英語でダンデリオン、ライオンの歯という意味とのこと。タンポポの若葉は多少の苦みがありますが、サラダにするとおいしいですし、根っ子は乾燥させ炒ってタンポポコーヒーです。利尿作用もあるんですって。レンゲソウの茎はゆでて、おひたし等の食用になります。スギナもミネラルが豊富でお茶にするといいのです。何か、興味は食べることばっかりです。  (き)

29年72号


今は携帯電話についているカメラで簡単に撮影してしまうのですが、以前、マクロレンズにスライドフィルムで撮る写真に(こ)っていたことがあります。普段、気にかけていなかったのも拡大して観てみると、全てが光り輝き美しいのです。あまり関心のなかった小さな花もレンズを通すと、想像もしなかった世界そこに現れ、びっくりするのです。すべてのものは美しいです。逆に小さな虫が怪獣に見えて思わず逃げ出したくなったりすることもありますね。いえ、拡大しなくともじっと見つめてみると、この人にはこんな良いところがあったのか、笑顔が素晴らしいなあ、なん気がつくのです。心静かに見つめるということは、きっと愛する、大切にするってことなでしょうね。    (き)

28年71号

朝起きると1本のお線香に火をつけて、自分や廻りの人たちが今日もいのちをいただいていることに感謝します。香木ほど上等なものじゃありませんが、そのほのかな香りは心を落ち着かせてくれます。嗅覚は他の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)と違って、本能に作用して感情・記憶を司る部分に直接伝わるのだそうです。見えないもの、とらえどころの無いものを感じる感覚です。以前から不思議に思っているのですが、冬になると冬の独特なにおいがするのですね。寒さが鼻に刺激を与えるのでしょうか。今の世の中、人工的な香り付けが多く、洗剤や化粧品の売り場ではその強い匂いに驚くことがあります。どんな香りもやりすぎは逆効果で「ほんのり」がいいですね。さあ、今日も1本焚いて元気に行きましょうか。                                  (き)

28年70号


いつもやっていることを考えたこともない方法でやってみてはどうでしょうか。いえいえ、そんな難しいことではなくて、行くときとは違う道で帰ってみる、右効きの人なら手紙を左手で書いてみる・・・。やってみると、思いもかけない風景が見えたりするものです。そして、自分のアタマがいかに硬かったか、自分を型にはめていたか、と知ります。もう亡くなられた西丸震哉先生は子供のとき、お風呂に頭から入ってみたそうです。足がガラス窓を突き破ってケガをされたそうですが。やろうとすると、面倒で、ちょっとたじろいだりして小さな勇気が要りますね。でも、ひょっとして、自分ってこんなにも才能豊かだったか、と見直すかもしれませんよ。責任はもてませんがね。 (き)

28年69号


「ネイネイ マイベ ベイベー」(ゆっくりと少しずつ、だけど、いつまでも)、という言葉を映画「カンタ ティモール」監督の広田菜津子さんに教えてもらったことがあります。現代人は、毎日忙しく暮らしているあまり、脳の一部しか使っていないようです。
障がい者と言われる人たちの中には、私たちにない素晴らしい能力を発揮する人がいます。どんな言葉でも、見えたその色と形で意味が判ったり、数字が風景として見えたり、複雑な計算が瞬時に出来たりします。
私たちも瞑想をすると脳全体に血流が増えるそうです。やり方によっては本来持っているけれど普段使っていない能力をひき出すことが出来るかもしれません。
たまには立ち止まって、ゆっくり、静かに自分自身を眺めてみることが必要なようです。
「ゆっくりずむ」で行きましょう。                  (き)

28年68号


ちょっとした気配りは嬉しいものです。会社にお出でになる方は誰でも仲間だと思っていますので、毎日郵便物を届けたり回収してくださる配達員さんにも、夏は「暑いですねえ。冷たいお茶でもいかがですか?」と、冬には暖かいお茶を差し上げることがあります。時には、お菓子がついたりします。
いつでも、というわけではありませんが、トラックで荷物を配達して下さる運転手さんの荷下ろしを手伝うこともあります。週2回通っているヨガ教室ではトレーニングが終わった後にはお茶が出て「分かち合い」と言って今日感じたことなどを参加者で話し合いますが、ここにもなるべくお菓子を持ってゆくようにしています。
一言の声掛け、手助け、一輪の花・・・そんな些細なコト・モノが人を喜ばせ、明日の元気を作り、人生を楽しくさせてくれるかも知れません。ちいさな喜びが世界にひろが~れ。            (き)

27年67号


外出するとき、いつもバッグの中にはメモ帳とペン・鉛筆が入っています。何か思いついたときに忘れてもいいようにメモを取ります。実際、ヒトはその時は大事だと思ったことも、時間がたつと頭から消えていることが多いものです。
また、本を読んでいて、重要だなあと思った文章には鉛筆で棒線を引きます。その線を引いた文章を集めると、その本の言いたいこと・大切なことがまとめられて全体像が見えることが多いものです。そんなエッセンスの蓄積で私という人間の知識・常識・考え方が、ひょっとしたら生き方も作られてきたのかも知れません。小さなメモも意外に大切なのかもね。       (き)

27年66号


夏の夜を飾る花火、誰でも大好きですよね。我が家の近くの熱田神宮では曜日に関係なく毎年6月5日に行われ、朝から花火の音が響き、夜には様々な形の色が空を彩ります。近くの広い公園の芝の上にシートを敷いて、お弁当・サンドイッチやビール・ワインを用意して友人たちと一緒にいただきます。「ドーン」という大音と共に明るく輝く光の饗宴をもったいないような気がしながら見続けます。これから全国で花火のシーズンですね。自分たちで作った美味しいもので味わう夏の夜のひと時は最高ですね。 (き) 

27年65号


毎年、3月も中ごろになるとそわそわしてきます。土筆(つくし)が出始めます。信州などの寒い地方では5月くらいかもしれませんがね。今年も袋にいっぱい採りました。面倒なのが袴(はかま)取りですね。いつも何とかならないかなと思いながら指先を灰汁(あく)で真っ黒にしています。人によってはさまざまで「頭は食べられない」と言われることがありますが、私にとっては、アレがなくっちゃ「土筆じゃない!」。どの土筆を採るかどうかの判断は頭がしっかり硬いことです。それから出てくる胞子の苦みが寒い冬に体にためた毒を解消してくれる気がします。チャーハンにすると、お米が薄緑色になって何とも美しいのです。ああ、早く来年の春がこないかなあ、なんて夏になる前の今から思っています。 (き)

27年64号


竹ヒゴと和紙で“たんころりん”という行灯をつくる会にお誘いを受け参加しました。12本のひごを籠目に組んでゆき、知らず知らず緩んでゆくのを塩ビのパイプで寸法を確認しては進めました。出来上がりは頭が丸くて、25cm位の径で高さは50~60cmになるでしょうか。足として3~4cmの竹を2つに割った2本を下に付けます。最後に美濃和紙をくるりと巻いて出来上がり。光源は、ろうそくの方がゆらゆら揺れて美しいのですが、安全を考えて小さな電球にしました。スイッチを入れると橙色の柱が闇の中に浮き上がります。いや~、自分で作ったものは気分のいいものですねえ。  (き)

26年63号


朝夕が涼しくなりました。うっかり薄着をしていると風邪を引いてしまいます。寒くなってくると欲しいのは体を温める衣類・食事と暖房です。昔はいたるところでたき火をしていたものですが、最近は殆どできなくなりました。特に都市ではオール電化などと言って家の中で火を使うことさえ少なくなりましたが、七輪での炭火焼きなんて楽しいです。チロチロ燃える炎をみていると、原始的な感覚を呼び起こすのでしょうか、心を揺り動かしいつまでも眺めていたくなります。薪をつかう鋳物製のストーブが欲しいと思いますが、我が家は集合住宅だから難しいです。好きな人は夏でもつけて火を楽しんでいるそうです。いや、うらやましい。   (き)

26年62号


自然のもの、特に木の枝でオブジェを作るのが好きです。何本かの2~3cm位の径の枝を数十cmに切断し、接着剤や釘で入り組んだ円形状に組み合わせ、裏に25Wの電球を3つ付けた照明を作ってみました。光の量はライトコントロールを付けましたので、明るく、ときにはぼんやりと壁に映える光と枝の影がなんとも美しいのです。
自然物である木の枝は、良く見るとゴツゴツとした複雑な形をしていて、肌の色もさまざまな色が組み合わさっています。その複雑な形と色の集合が人工物ではできない造形物のバランスを作ります。いえいえ、作品などと言える大したものではありません。全部自然界の、ひょっとしたらカミサマの力のおかげなのでしょうね。自然ってイイナア!

26年61号


4月のある日、グロッセ夫妻のセミナーがあり参加しました。午前中はリュックさんの黄金比のお話とスライド。びっくりすることや、なる程と思うことしきり。午後は世津子さんの園芸療法のお話と、使い終わった牛乳パックを使った器つくりと生け花。牛乳パックに雑誌から自分の好きな花などを切り抜いて貼り付け、左右を切ってオリジナルの花器を作ります。そこにオアシスを入れて用意された桜、水仙、ローズマリーなどなどを差し込んで、最後に平たく白いお豆に赤と黒のマーカーでダルマさんを描いてポイント作り。材料は同じでも、それぞれ違うものが出来るんですね。子供も素晴らしい作品でした。大人の常識が無いのがいいのかもね。全員が素晴らしいんです、これが。あなたもやってみませんか、捨てられるはずだった牛乳パックを活かした自分を表現する生け花。宝物になっちゃいますよ。  (き)

26年60号


「名古屋の近くに来ています。伺ってもいいですか?」遠くに住む友人からメールがはいりました。賑やかな食事が好きなので大歓迎です。で考えました、何を食べる? そうだ「餃子鍋」。早速近くのスーパーへ出かけて質の良さそうな豚肉を選び、皮は市販品で間に合わせよう。色んな野菜が九州から毎週届いているから買わなくともいいや。キャベツを刻んで塩もみ、にんにくをすりおろして肉をこね、塩・コショウ、少々ゴマ油も加えて。包むこと60枚。これがまた、ちょっと楽しい。土鍋に水・昆布を入れてと。
三名の友人と我々でわいわいとお酒もいただきました。う~ん、こういうのをシアワセと言うのでしょうね。    (き)

25年59号


先日、車で新潟から帰る途中、長野道の安曇野インターを降りて山麓の道を走ってみました。あまり通ったことのない道で、ふと見るとスカイラインって標識があったので行ってみました。
視界の開けない細い道で、すれ違った他の車は2台、私たちだけの世界です。30分くらいも登ったでしょうか、白樺か岳樺なのでしょう、白い肌の樹木も現れ、ちょっと雨模様でしたが時折青い空も見え、まだ残っている緑に黄色や赤の葉の美しいこと。どうして自然はこんなにも心に訴えるのでしょうか。
真・善・美と言いますが、究極は美。自分の中に人間にとって大切で素晴らしいものがあり、それに接したときに「美しい」って感じるのじゃないかしらね。
つい哲学的にもなってしまう世界です。自然ってイイナア!(き)

25年58号


見飽きないものって誰にもありますね。私の場合は
春  キラキラと無数のダイヤモンドのように踊り光る小川のせせらぎ
夏  白く輝きモクモクと大きくなってゆく入道雲
秋  ヒラヒラと赤や黄色の落ち葉が舞い降りるさま、そして、
   地面に落ちてしきつめられ絨毯のようになるさま
冬  はてしない虚空からフワリフワリと限りなく落ちてくる白い雪の下からの眺め

この世にあるもの存在しているものはじっと見つめているとどんなものも美しいです。
きっとそれらに自分の「いのち」を見ているからなのでしょうね。 

25年57号


最近、あまり字を書かないですね。理由は色々で、字がキタナイ、めんどう~、鉛筆が手元に無いなどで、コンピューターに「打ち込む」ことが多いです。書かないから、えーっと、こんなんだったっけ? 漢字が思い出せない。
あまり気にしてないけど、私たちが話す言葉はほとんど漢字で書けちゃうんですね。漢字はすべて意味があって、表意文字って言うんです。
「みる」は見る、視る、診る、看る、観る、全部意味がちがうんです。観音(かんのん)さまは音を観るなんて面白く奥が深いって思いませんか。
たまには、ピッピ、カチャカチャを止め、ペンを手にして何か書いてみませんか。「わかる」も分かる、判る、解るって使いわけます。さあ、ワカッタかなあ?            (き)

25年56号


毎朝、起きると、ヨガ教室で教えてもらった運動をします。
始める前は何か理由をつけて休めないか、短くする理由がないかという気持ちが頭に浮かぶのです。体や精神に良いと分かっているのですが、何かうっとうしいんでしょうね。
その気持ちをふり切って始めると、最初は体の一部が痛かったりするのですけれど、やがて調子が出てきて、今度は途中で止めるのが惜しくなってくるのです。そして、やり切ると何か自分がほこらしくなったりするんですね。実に単純!
それから、朝食としてのにんじんとリンゴのジュースを作ります。体が目覚めた後の一口のおいしいこと。さわやかに今日一日が始まります。さあ、がんばるぞ~。

25年55号


20数年前から年に一度、「ド宴会」と称して複数の家族が集まって食事会をしています。 ひと家族が料理やお酒を1つ以上持ちあいます。始めた当初、おむつを入れたリュックを自分で背負って参加していたAさんの次男坊はもう今年29歳、上のお兄ちゃんが昨年結婚して子供が生まれ、三世代揃いました。彼らも皆と会えるのを楽しみにしています。
中には奥さんを亡くされた人もいますし、髪に白いものが増えたりして過ぎ去った年月を感じます。こんなに長く続いているのはなぜでしょう。職業も皆違うのですがお互いを大切にして穏やかな空気を持っているからでしょうか。今年もお正月に6家族が集まりました。もう来年はいつにするかを考えています。また全員がそろっておいしい食事とお酒で会話を味わい合いたいものです。

24年54号


たまにはビデオショップでなく映画館へ行こう。ちょっと出掛けるのが面倒だけれど。それも一度見逃したら二度と見られない、あまりお金がかけられなかった小さな映画を上映している映画館がいい。人生を考えさせ味わわさせてくれる作品がいい。もし友人と一緒なら終わって映画館を出てからしみじみと内容を話し合うことのできる映画がいい。
どんな映画でも最後に出演者や裏方で働いた人の名前が映し出されるのを見るのが好きです。こんなに多くの人が一緒に協力し合ったのかと考えると涙がでそうになります。一つの作品を作り上げることの素晴らしさ。
たまには映画館へ行こう。                        (き)

24年53号


好きな歌の一つに「君の友達 You’ve got a friend」があります。もう40年も前のアメリカの歌手キャロル・キングの作です。それはこんな歌詞です。「落ち込み困りはて 人恋しく 何もかもうまく行かない時 目を閉じて私を思い出して  すぐに行くよ・・・・友だちなんだから」
人には良い時も悪い時もあります。一緒に喜び一緒に泣いてくれるのは友達やパートナーでしょう。でも、それが出来るにはたまにでもよいから連絡を取ったり「好きだよ~」って表現することでしょうね。自分のことだけ考えて行動している人には誰も近寄りません。ちょっとした努力がいりますね。
持ってるものは少ないけど友達だけは豊か、と言える幸せ!   (き)       

24年52号


アール・ブリュットってご存知ですか。フランス語なのですが、伝統的な訓練を受けておらず、名声やお金を目的とせず自由に表現された芸術のことで、障害のある方の作品が多いです。近くの美術館でパリの展覧会で好評を博した63名の日本人の作品展がありましたので行ってきました。
衝撃でした。普通の絵や焼き物とは違うアフリカ芸術にも似た強いエネルギーを発する作品ばかりでした。思いもかけぬ色や形。よくもこんな表現を!と思ってしまうのですが、どこか自分の内にある衝動と同じものを感ずるのです。ひょっとして私にも作れるのでは、ひょっとして私にも才能が、と思ってしまう自分が怖い!       (き)

24年51号


我が家の和室の1枚のふすまに日本酒のラベルがおよそ100枚くらい貼ってあります。どこで手に入れたのですって、無論、飲んだあとの瓶を水につけて剥がすのです。最近はラベルを貼ったノリが水では剥がれないのもあって苦労しますがね。
それにしても、ラベルは美しい絵・楽しい絵がついたもの、文字だけのもの、それも筆で書いた立派なのや、言葉も中国の詩があり、やまと言葉あり、さまざまです。ラベルの熱心さがお酒の質にも関係しているのじゃないかと思ったりします。これだけ集まるといいですねえ。私だけのオリジナルふすまです。ラベルとラベルの隙間が少なくなっていて、あと何枚貼れるかしらね。     

24年50号


お昼に「林(リン)さんチャーハン」が食べたくなりました。具が卵とネギだけですけれど、とても美味しいのです。幸い昨夜の残りのご飯も卵もあります。れれっ、冷蔵庫に肝心のネギがありません。ふと見るとテーブルの上にネギが。食べたあと根があまりに立派なのでコップに水をいれて差しておいたのが伸びているんです。そいつをみじん切りにして用意。熱くしたフライパンに油、卵を割り入れてかき混ぜて、ご飯を放り込む。あおってあおって、塩・コショウ、日本酒をいれて香りつけにネギ。さあ、食べましょう。いや、おいしいんです、これが。芽のでたネギがあったのがラッキーでした。芽の出てしまったニンニクがあるので、それもベランダに植えておきましょう。伸びるのが楽しみ!!

23年49号


お風呂って不思議です。体の汚れを落とすだけならシャワーの方が簡単です。でも、露天風呂はじめお風呂はリラックスできて楽しいです。西洋人は無論のこと、中国や韓国の人もシャワーです。お風呂を共有するのは後から入る人に自分の着た下着を着させるのと同じことだ、と中国の人が言うのを聞いたことがあります。どうやら、日本人にとって水は特別な存在のようです。神社に参拝する前には手や口をすすぎますでしょう。「さらっと水に流す」なんて言葉もあります。汚れが水に溶けてきれいになる、という物理的な考えより、水が穢れ(けがれ)を清めてくれる、という精神的なもののようです。さあ、今日も一日が終わりました。ひと風呂浴びてきますか。

23年48号


自分の部屋や家が、家具とテレビだけのガランとした空間だったらちょっとさみしいですね。人間は単に生命(いのち)があるだけでは「生きている」とは言えないように思われます。生きていくためには、衣食住に最低のもの以外に、潤い(うるおい)が必要じゃないですか。それは1枚の絵かも1鉢の観葉植物かもしれません。いえいえ、自分が日曜日に苦心して描いたバラの絵でも、知り合いの陶芸家に場所を借りて作ったどこかいびつな壺でもいいのです。ちょっと心がワクワクするものを置きたいです。さあ今日、お花屋さんに寄ってお花を1本買って帰りませんか。あなたのお部屋がパッと明るくなりますよ、きっと。

23年47号


頂き物の佃煮やジャムの入っていた空ビンが捨てられない。中味を食べてしまったら水で洗って、ラベルを取って乾かします。その中に、小さく切った昆布、大豆や各種の豆、乾燥しいたけ、とろろこんぶ、おいしいだし、自分で作った菜飯用の乾燥させ塩で炒った、だいこんの葉、らっきょう、煮ておいた大豆、更には袋を開けた塩や砂糖などを入れておきます。
食事を作るとき、手の届くところにそれらがあれば、とっても便利です。食料危機がきてもこれらの保存食品と塩、味噌、お米があれば、しばらく大丈夫?でも、空ビンが余って、余って冷蔵庫の上はビンでいっぱい!この間拾ってきたヒマラヤ杉の実を入れて飾っておこうかな?                                       (き)

23年46号


我が家には昔、古道具屋で買ってきたタイ国製だろうと思われる高さ約20cmほどの仏像の頭があります。最近しみじみとそのお顔を見てみましたら、こんな鼻をされているのかこんな口だったのかと、あらためてその形に驚かされました。考えてみれば、じっと他人の顔を覗き込むことはあまりありません。自分の顔だって見ているようでも見ていませんね。いや、あまり見たくないのかも知れませんが・・・。
普段見ているモノもよく見てみると、思っていたような形ではないことに気づき、意外な発見することもあります。たまには素直にあなたの周りにある物や人をみてみたらどうでしょうか。意外や意外・・・新鮮な驚きがあるかもしれません。     (き)

23年45号


我が家には30歳になる大きく育ったゴムとベンジャミンの木がいます。春から秋まではベランダにいますが、冬になると寒くて葉が黄色になったり落ちるので、室内に入れてやります。彼らがいないときの室内は広々として気持ちよいのですが、内に入ってくると急に狭くなり、まるでジャングル状態になります。でも、心地よく不思議な安心感があるのですね。時折話かけると声でない言葉で返事をしてくれます。
考えてみれば、植物は人間がいなくとも存在できますが、人間は彼らがいないと生きてゆけないのです。人は植物と一緒に、いや、ささえられて生きてきたのですね。
初夏になって彼らが外へ出て行くまで楽しい共同生活が続きます。

22年44号


食事をするって楽しいですね。それも親しい人とゆっくりいただく美味しい食事はおごそかな至福の時です。その時は、素材の持つ味や色も楽しみたいですし、やはり作ってくれた人の「想い」をいただくのですね。そのためには、周りの雰囲気も大切です。室内にいてもどこか自然を感じていたいですし、照明も大事です。私の好みで言えば、蛍光灯よりは白熱球。最近はLEDが普及してきましたから電球色のそれでもいいです。

昨日のこと、もっと昔のこと、今日あったこと、そして将来のことを話し合いましょう。

だからね、ちょっとテレビは消しましょう。おいしい食事をいただく時は。   (き)

2年43号

おだやかな光の中、緑の草原でお弁当を広げる、と想像するだけでワクワクして、おなかがすいてしまいます。買ってきてもいいのですが、好きなものをいっぱい詰め込んだ自分や家族が作った、世界でこれ一つだけのお弁当ならば最高です。ついでに自分の目で厳選された安心・安全の材料でならば言うことはありません。
家族が作ってくれたお弁当ならば、何が入っているのか開けるのが待ち遠しいですし、それを見ている周りの人たちがとても羨ましそうです。市販のお弁当には無い「愛」があふれていますからね。「う~ん、おいしい!」
幸せって、意外と近いところにあるのですね。

22年42号


エコ・ブランチでは最近黒ネコ・クロッチのぬいぐるみ作りが盛んです。このクロッチは、東京の(株)ヌールエの筒井さんが考案したもので、カレンダーも作られて川柳が人気です。ガラが悪くて、目つきも悪く、行儀も悪いけれど人気者。ぬいぐるみを見た人は誰もが「かわいい!」と叫ぶんです。いつもエコブランチ商品を作ったり梱包したりしている社員・パートさんたちがせっせと作ってます。でもとっても手間なんです。だって最初から最後まで全部手作りなんですから。ひとつひとつ少しづつ表情・姿が違います。でも、それがいいんですね。人間だって人それぞれ・・・ですもんね。「みんな違ってみんないい」は金子みすずでしたっけ。

      


21世紀の生き方を考えよう

これまでの価値観では持続可能することがむつかしくなっています。新しい生き方・暮らし方一緒に考えてみませんか?

ゆっくりずむでいこう

Beな人・・・


人の生き方は十人十色… 
Beな人
BEな人 49号まで
Beな人 50号~63号
これまでのBEな人

研究所レポート


21世紀を思考するライフスタイル 研究所レポート

これまでのレポート

エリオット君と学ぶ


自然に学ぶ 平井孝志先生環境塾 環境塾

これまでのエリオット君

つれづれなるままに


折につれ感じるあれこれ つれづれなるままに 

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ひと手間かける楽しい暮らし 関連リンクLinkIcon

お耳拝借

素敵な人、こと、さまざまに。心があったかくなること、しみじみとした喜び。心のアルバム増やしませんか・・・。過去のイベント

2023年9月23日「映画上映会&かっこちゃん講演と話そう会」

2022年4月10日「身体と心、声を通して自分を見つける」ワークショップです。

瞑想のピアニスト ウォン・ウィンツァンさんと、いのちの響きを紡ぐ歌い手 鈴木重子さん、深くあたたかな音色のギタリスト ウォン美音志さん…久しぶりの生コンサート

瞑想のピアニストウォンさんと、スウェーデン在住コントラバス奏者森さんの唯一無二の響きに触れ、内に耳を傾ける

山元加津子さん初監督ドキュメンタリー映画「銀河の雫」上映会もあります

いのちの響きをつむぐ歌い手 鈴木重子さんと瞑想のピアニスト ウィン・ウィンツァンさん

グロッセ・リュックさん「植物の神秘」と世津子さんの「園芸療法のお話」とワークショップ

いのちの語り部大集合・・・山元加津子さん&AKIRAさん&広田奈津子さん

福島のおかあさん達が作品と一緒にやって来る

山元加津子さん講演と、映画「僕のうしろに道はできる」上映会

エコール・グロッセ 春 「植物の神秘・虹色の種」2013.0413

グロッセ・リュックサン&グロッセ世津子さんによる植物の不思議な世界

サティシュ・クマール「今、ここにある未来」上映会&講演会 2013.0403

サティシュ・クマールさん、初の名古屋講演です。通訳辻信一さん

森霊の巡礼 ワタリガラスの神話と祈りの音」2012.0923

アラスカ先住民ボブ・サムさん&奈良裕之さん

グロッセ・リュックさん&グロッセ世津子さんによる植物の世界

新得農場代表 宮嶋望さんに学ぶ自然の力

つながるいのちの感謝祭 2011.1120

2011年、いのちの感謝祭 べてるの家向谷地さん&べてるの仲間たち

つながるいのちの上映会「森聞き」2011.0925

ドキュメンタリー映画「森聞き」上映会&トークセッション

ともしびの巡礼~ワタリガラスの神話と祈りの音2011.0910

共にガイアシンフォニー出演のボブ・サムさんと奈良裕之さんの神話の会

つながるいのちの上映会vol.2「ミツバチの羽音と地球の回転」2011.0731

映画「ミツバチの羽音と地球の回転」&トーク&分かち合い

いのちの響きを紡ぐ二人の世界2011.0618

山元加津子さん&鈴木重子さんのジョイント

つながるいのちの上映会「幸せの経済学」2011.0522

映画「幸せの経済学」&トークセッション&ワークショップ

江戸の知恵、日本人の心 2011.0313

江戸の語り部辻川牧子さんの「もうやっこ寺子屋」

山田周生さんエコトーク&丸山さんライブ2011.0220

終了しました

てんぷら油で地球一周山田周生さんとビリンバウの丸山さんトーク&ライブ

つながるいのちの感謝祭  2010.10.09

2010年10月9日終了しました。
いのちのてざわり感じていますか

たかはしべん“心のおくすりコンサート”

終了しました。

山元加津子さんの思いっきりkakkoワールド

2010年6月13日終了しました

今年のkakkoワールドは、じい こと小林正樹さんとのジョイントです

いちじくりんLinkIcon

水野スウさんの”ほめ言葉のシャワー”ワークショップ

2010年6月26日終了しました。

大人気の水野スウさんの「ほめ言葉のシャワー」お話とワークショップ

紅茶な時間LinkIcon


今日も賑やかな会社のあれこれ